Geminiのオプトアウト設定ガイド!学習させない手順やデメリットも解説
Googleの便利なAIサービスであるGeminiですが、仕事のアイディア出しやプライベートな相談で使っているときに、ふと自分の入力したデータがAIの学習に使われているのではないかと不安になることってありますよね。プライバシーの保護や情報漏洩を防ぐためにも、データの扱いをしっかりコントロールしたいと考える方はとても増えています。
実は、Geminiアプリのアクティビティ設定をオフに切り替えるオプトアウト操作を行うことで、入力したデータを今後のAIのトレーニングから遮断できます。ただし、マイアクティビティから設定を変更すると履歴が残らない状態になったり、自動削除が3ヶ月周期になったりと、いくつかの注意点やデメリットも存在します。この記事では、個人向け環境から法人向けのGoogle Workspace、さらには開発者向けのGoogle AI StudioやVertex AIに至るまで、データの安全を守りながら快適に使いこなすための方法をまるごと分かりやすく解説しますね。
- Geminiで入力データがAIモデルに学習される仕組みとリスク
- PCやスマホアプリでアクティビティをオフにして学習拒否する手順
- オプトアウト設定を行った場合に生じるデメリットや技術的な例外
- 法人版Google Workspaceや開発者向けツールにおけるデータ保護の違い
1. Geminiのオプトアウト設定とは?入力データがAIに学習される仕組み
まずは、Geminiに打ち込んだデータがどのように扱われているのか、その基本的な仕組みから整理していきましょう。デフォルトの状態やリスクを正しく理解しておくことが、自分に合った最適なセキュリティ設定を選ぶ第一歩になります。
1-1. 無料版Geminiはデフォルトで会話データが学習される
個人で利用できる無料版のGeminiや有料のGoogle Advanced(Gemini Advanced)プランでは、原則としてデフォルトで入力データがサービスの向上やAIモデルのトレーニングに利用される仕様になっています。私たちが日常的に入力している質問文やプロンプト、アップロードした画像やPDFなどのデータは、Googleのサーバーに一定期間蓄積され、LLM(大規模言語モデル)の精度や対話能力を高めるための貴重なトレーニング素材として活用されているわけですね。
もちろん、Google側も無対策でデータを使用しているわけではありません。プライバシー保護のためのガイドラインに基づいており、AIの性能向上や安全性フィルタの検証を行うプロセスでは、アカウントIDや名前といった個人の特定につながる情報(PII:Personally Identifiable Information)を切り離す高度な匿名化処理(ディアイデンティフィケーション)を施しています。
しかし、初期状態のまま運用している限り「送信したデータそのものがAIの学習リソースとして処理・保管されている」という根本的な事実に変わりはありません。いくらIDが切り離されているとはいえ、プロンプトの文章中に自社のプロジェクト名や個人的な悩み、連絡先などを直接書き込んでしまっていれば、テキスト情報そのものが残ってしまうため完全な匿名化とは言えない側面もあります。そのため、自分のデータや機密情報を勝手に使われたくないと感じる場合は、ユーザー自身が手動で設定を変更して明示的に拒否(オプトアウト)する作業が不可欠になるんです。
なぜ初期設定でオンになっているのか?Google側の背景
Googleをはじめとする生成AI開発企業がデフォルトで会話データを収集する最大の理由は、モデルの「継続的改善(Continuous Improvement)」にあります。AIは膨大なテキストパターンを解析することで、より自然な文脈理解や正確なファクトチェック、最新の言葉遣いの習得が可能になります。ユーザーから送信される多様なプロンプトは、AIを賢くするための何よりの教材というわけですね。
とはいえ、サービスを提供するGoogle側の都合と、利用するユーザー側のプライバシー意識が常に一致するとは限りません。特に仕事や業務効率化の文脈でGeminiを利用するシーンが増えている現在、初期設定のまま使用し続けることは、ユーザーにとって思わぬ情報漏洩の引き金になりかねないということは頭に入れておく必要がありますね。
1-2. オプトアウト(学習拒否)を設定すべき理由と情報漏洩リスク
では、なぜ私たちがわざわざ手間をかけてオプトアウト設定を行う必要があるのでしょうか。最大の理由は、意図しない情報漏洩やプライバシー侵害、企業のコンプライアンス違反リスクを未然に防ぐためです。
例えば、仕事の資料作成で「社内の未公開新事業プロジェクトの企画書」を読み込ませて要約させたり、プログラミング中に「自社システム専用のソースコードやAPIキー」を入力してバグの修正を依頼したりした場合を想像してみてください。また、プライベートであっても「自分や家族の病状に関する詳細な相談」や「住所や電話番号が含まれる契約書のチェック」などをそのまま送信してしまうケースがあるかもしれません。
こうした情報がもしAIの学習データに取り込まれて保持された場合、巡り巡って他の第三者ユーザーが特定の質問をした際に、その応答の一部として予期せぬ形で生成・露出(データ流出)してしまう危険性がゼロとは言い切れません。一度モデルのパラメータの中に組み込まれた知識を後からピンポイントで削ぎ落とすのは、現代のAI技術でも非常に困難とされているからです。
注意したいリスク:人間(第三者)による手動レビューの存在
個人アカウントの標準設定では、AIモデルの回答精度向上や有害コンテンツ防止フィルターの機能検証のために、人間のレビュアー(第三者の作業員)がプロンプトの内容を直接参照・確認するプロセスが存在します。システム側で自動的にアカウント情報の紐付けが切断されるとはいえ、文章内に社外秘のプロジェクト名、顧客データ、個人名などを直接書き込んでいると、レビュアーの目に直接触れてしまうリスクが発生します。
実際に、過去には海外の大手IT企業や金融機関で、社員が生成AIサービスに機密コードや会議の文字起こしデータを入力したことで情報漏洩リスクが懸念され、社内での生成AI利用が全面禁止されるといった騒動も発生しました。こうした深刻なトラブルを防ぎ、自分自身や組織の貴重なデジタル資産を守るためにも、機密性の高い情報を扱う可能性があるならオプトアウト設定の仕組みを正しく理解し、適切に対処しておくことが極めて重要なのです。
プライバシー保護と利便性のバランスをどう取るべきか?
もちろん「絶対に学習されたくないから常にオプトアウトする」というのが最も安全なアプローチです。しかし、後述するようにオプトアウトを設定すると過去のチャット履歴が残らなくなるという機能制限も発生します。そのため、「普段のちょっとした検索や雑談レベルならデフォルトのまま使い、仕事の重要データや個人情報を扱う時だけ注意する」のか、「最初から完全に学習オフにして運用する」のか、自身の利用目的に応じたリスク管理の判断が求められます。
2. 【デバイス別】Geminiで学習させない(オプトアウト)具体的な設定手順
ここからは、実際にGeminiで自分の入力データを学習させない(オプトアウトする)ための具体的な操作手順をデバイス別・環境別に詳しく解説します。画面のUIやメニュー項目はアップデートによりマイナーチェンジすることがありますが、基本の流れを覚えておけば迷わず設定できますよ。
2-1. PCブラウザ版(Web)でのアクティビティオフ手順
パソコンのブラウザ(Chrome、Edge、Safariなど)からWeb版のGemini(gemini.google.com)を利用している場合の設定手順はとてもシンプルで、数クリックで完了します。
- 普段お使いのブラウザでGeminiの公式サイトにアクセスし、設定を変更したいGoogleアカウントでログインします。
- 画面左下のサイドメニュー領域にある「設定」(歯車アイコン)をクリックし、表示されたメニューの中から「アクティビティ」を選択します。(または直接 (出典:Google『Gemini アプリのアクティビティを管理、削除する』) の案内に従って「マイ アクティビティ」のGemini管理ページへ移動します)
- 「Gemini アプリ アクティビティ」の管理画面が開くので、上部にある「オン」と表示されたボタンやトグルスイッチをクリックします。
- 「Gemini アプリ アクティビティをオフにする」という選択肢が表示されるので、「オフにする」または「オフにしてアクティビティを削除」のどちらかを選択して確定します。
| 選択項目 | 今後のデータ学習 | 過去の会話履歴 | おすすめの利用シーン |
|---|---|---|---|
| オフにする | 停止(学習除外) | 削除されずに保持(非表示化) | 過去の履歴データは念のため残しつつ、今後の学習だけを即座に止めたい場合 |
| オフにしてアクティビティを削除 | 停止(学習除外) | 過去ログをすべて一括消去 | これまでの会話データも含めてサーバー上から完全にリセットし、まっさらな状態にしたい場合 |
単にこれから入力する文章の学習を止めたいだけであれば「オフにする」を、これまでに試した過去の会話ログや検証データも含めてキレイに消し去りたい場合は「オフにしてアクティビティを削除」を選ぶとスムーズですよ。
操作時の注意点:アカウントの切り替えミス
ブラウザで複数のGoogleアカウント(個人のGmailアカウントと副業用・プライベート用のアカウントなど)に同時にログインしている場合、意図しない別のアカウントの設定を変更してしまうケースが多発しています。設定を開く際は、必ず右上のプロフィールアイコンを確認し、対象のアカウントになっているかチェックしてくださいね。
2-2. スマホアプリ版(Android/iPhone)での設定手順
スマートフォン(Android端末やiPhone/iPad)上のGeminiアプリやGoogleアプリ内のGemini機能から利用している場合も、基本的な設定手順はWeb版とほぼ同様です。移動中や出先でスマホから手軽にオプトアウト設定を行いたい方は、以下のステップで進めてみましょう。
Android端末の場合
- スマホのホーム画面やアプリ一覧から「Gemini」アプリを起動します。
- 画面右上にある自分のプロフィールアイコン(またはイニシャル)をタップします。
- メニュー一覧から「Gemini アプリ アクティビティ」を選択します。
- アクティビティの設定画面が開いたら、上部にある「オン」の項目をタップし、「オフにする」(または「オフにしてアクティビティを削除」)を選択して保存します。
iPhone(iOS端末)の場合
- 「Google」アプリを起動し、上部タブまたは設定からGemini画面を開くか、Gemini独立アプリを起動します。
- 右上にあるプロフィールアイコンをタップします。
- 「Gemini アプリ アクティビティ」をタップして管理ページへ移動します。
- トグルスイッチを切り替えて「オフにする」を選択し、ポップアップで確認を求められたら承認します。
これで、スマホのフリック入力や音声入力を使ってGeminiに送信したプロンプトデータについても、今後のAIモデルトレーニングから確実に除外されるようになります。アプリから設定を変更した場合でも、そのアカウント全体の共通設定としてPC版にも自動的に反映されますのでご安心ください。
2-3. 会話履歴の自動削除周期を「3ヶ月」に短縮する方法
「AIの学習自体は完全に拒否(オプトアウト)しなくてもいいけれど、万が一のために自分の会話データがGoogleのサーバー上に長期間保存・残存し続けるリスクだけは下げておきたい」という方もいらっしゃいますよね。そのような場合は、アクティビティ機能自体は「オン」のまま維持しつつ、データの保存期間(自動削除機能)を最短の周期にカスタマイズする手法が非常に有効です。
- Googleの「マイ アクティビティ(myactivity.google.com)」ページにアクセスし、「Gemini アプリ アクティビティ」の管理画面を開きます。
- 画面内の中央付近にある「自動削除(オン)」と書かれた項目をタップします。
- 保存期間の選択肢が表示されるので、用意されている最短設定である「3か月」を選択します。(他の選択肢として「18か月」「36か月」があります)
- 「次へ」をクリックし、確認画面で「保存」をタップして設定を完了します。
Googleの標準デフォルト状態では、アクティビティの保存期間が「18ヶ月」という長期間に設定されていることが一般的です。これを「3ヶ月」に短縮しておくだけでも、過去のやり取りがいつまでもサーバー上に残留するリスクを大幅に低減できます。「完全にオプトアウトして機能が制限されるのは困るけれど、セキュリティ対策はしておきたい」というライトユーザーにはぴったりの折衷案と言えますね。
3. 知っておくべき設定後のデメリットと技術的例外
オプトアウト設定を行えば、自分のプライベートなデータや業務上の文章がAIに学習されるのを防ぐことができ、セキュリティ面での安心感は格段に高まります。しかし、その一方で利便性との大きなトレードオフや、システムの構造上避けることができない技術的な例外仕様が存在します。「設定を変えたら使いにくくなった!」と後から焦らないためにも、デメリットをあらかじめしっかりと頭に入れておきましょう。
3-1. チャット履歴が保存されなくなり過去ログを参照できない問題
個人向けのGoogleアカウント(無料版・Gemini Advanced共通)で「Gemini アプリ アクティビティ」をオフに切り替えると、今後のモデル学習が遮断されると同時に、過去の会話履歴を保存する機能そのものが停止(無効化)されてしまいます。
オプトアウト設定に伴う最大級のデメリット
アクティビティをオフにすると、Geminiの左側サイドバーに表示されていた「過去のチャット履歴一覧」がすべて消える(またはアクセス不可になる)状態になります。ブラウザのタブを閉じたり、新しいセッション(チャット)を立ち上げたりするたびに、過去のやり取りのコンテキスト(前提条件や文脈)がすべてリセットされてしまいます。
例えば「昨日Geminiと一緒に作ったブログ記事の構成案の続きを、今日書いてもらおう」と思っても、過去ログを読み返すことができないため、また最初から前提条件や背景知識をプロンプトとして一から入力し直さなければならなくなります。連続したタスクや長期間にわたるプロジェクトでGeminiを活用したい場合、この仕様は作業効率を著しく低下させる要因になってしまうんですね。
残念ながら、個人向けの標準Googleアカウントにおいては「データ学習は完全にオフにしつつ、チャット履歴だけはサイドバーに保存して残す」という設定の組み換えは構造上できない仕様になっています。安全性を取るか、利便性を取るかの選択を迫られるのが個人向け無料環境の苦しいところです。
3-2. 設定変更後も「72時間」はサーバーに保持される理由
「アクティビティをオフに設定したから、今送信したテキストは送信ボタンを押した瞬間にGoogleのサーバーから影も形も消え去るはず!」と思いがちですが、実は違います。Googleの公式セキュリティ仕様によると、アクティビティをオフ(オプトアウト)に設定している状態であっても、送信された会話データは最長72時間にわたってGoogleのバックエンドサーバー内に一時的に保持・保管されるルールになっています。
「えっ、オプトアウトしたのにデータが消えないの?裏切られたの?」と不安に思うかもしれませんが、この72時間の一時保持はAIモデルのトレーニング(学習)目的で使われているわけではありません。主に以下のようなシステム運用・維持・安全対策上の不可欠な理由によって実行されています。
- ユーザーへのスムーズな回答の生成、処理エラー時のリトライおよび通信データの整合性維持
- ユーザーが回答に対して「グッドボタン」「バッドボタン」などのフィードバックを送った際のログ照合処理
- サイバー攻撃、スパム、規約違反コンテンツ(暴力・差別・違法行為など)の自動検知と安全フィルタリング対策
つまり、サービスを正常かつ安全に稼働させるための「一時的なメモリバッファ」として72時間残っているだけなので、これがAIの学習素材に組み込まれるリスクはありません。ただし、もし誤って業務上の超極秘ファイルや見られたくない個人情報を送信してしまった場合は、単に設定をオフにするだけでなく、「マイ アクティビティ」画面から該当の対話ログを探して即座に手動削除の操作を行うのが最も安全で確実な対処法となります。
3-3. 人間によるレビューリスクを防ぐプロンプト入力の注意点
前述したように、個人向けの無料環境や一部の試用環境では、AIの回答精度向上のために一部のプロンプトデータが匿名化された上で「人間のレビュアー(第三者の作業員)」によって抜き出し確認されるケースがあります。
システム側の自動フィルターによってアカウントIDやメールアドレスなどの情報データは切断されますが、ユーザーがプロンプトの「文章自体」の中に直接書き込んでしまったテキストまでは完全に自動判定・伏字化できない場合があります。
リスクが高い入力例と、安全な「データ最小化」の言い換え例
× 危険な入力例:
「株式会社ABCの山田太郎(090-XXXX-XXXX)様から受けた、新製品『Project-X』の問い合わせメールの返信文を作って」
○ 安全な言い換え例(データ最小化):
「あるクライアントの担当者様から受けた、新製品に関する問い合わせメールの返信文を作って」
上記のように、プロンプトを入力する際は「会社名」「個人名」「電話番号」「未公開の商品名やコードネーム」などを具体的な固有名詞で書かず、「クライアントA」「担当者B」「製品X」といったように抽象的な代名詞に置き換えて入力する『データ最小化』の癖をつけておくことが大切です。ちょっとした意識の差が、重大な情報漏洩リスクからあなたを守ってくれますよ。
4. 【利用形態別】Workspace・AI Studio・Vertex AIのデータ保護の違い
Geminiと一言で言っても、私たちが普段ブラウザで使う個人向けのWeb版だけでなく、企業向けの法人契約プランや、エンジニアがAPI経由で利用する開発者向けツールなど、様々な利用形態(プロダクト)が存在します。実は、どの契約環境・利用形態を選ぶかによって、データ保護のポリシーやデフォルトの学習設定は180度異なります。
4-1. Google Workspace(法人版)は設定不要でデフォルト保護
企業や学校、官公庁などで導入されている法人向けグループウェア「Google Workspace for Gemini(旧Duet AI for Google Workspace)」を利用している場合、データ取り扱いのセキュリティルールは個人向け無料版とは完全に別次元の頑丈な仕様になっています。
Workspace環境では、企業間での厳格なデータ処理契約(DPA:Data Processing Addendum)やプライバシー保護規定が標準で適用されています。そのため、ユーザーや管理者が個別に面倒なオプトアウト操作を行わなくても、デフォルトの状態で「入力データや生成された回答がGoogleのモデルトレーニングに一切利用されない」ことが法的に保証されています。
| プロダクト・利用形態 | デフォルトのデータ学習 | オプトアウト設定 | 会話履歴の保持 | 第三者レビュー |
|---|---|---|---|---|
| 個人向け Gemini(無料版) | あり(学習される) | 手動で設定が必要(アクティビティオフ) | オプトアウトすると履歴保存不可 | あり(匿名化の上で閲覧) |
| Gemini Advanced(個人有料版) | あり(学習される) | 手動で設定が必要(アクティビティオフ) | オプトアウトすると履歴保存不可 | あり(匿名化の上で閲覧) |
| Google Workspace with Gemini | なし(完全遮断) | 不要(標準で自動保護) | 履歴を保持しつつ学習遮断が可能 | なし(閲覧不可) |
| Google AI Studio(無料版API) | あり(学習される) | オプトアウト不可(設定スイッチなし) | プロンプト履歴のみ | あり(データ収集対象) |
| Google AI Studio(従量課金版) | なし(完全遮断) | 不要(課金で自動適用) | プロジェクト内で保持 | なし(閲覧不可) |
| Vertex AI(Google Cloud) | なし(完全遮断) | 不要(エンタープライズ保証) | 安全なクラウド基盤上で管理 | なし(閲覧不可) |
法人向けのWorkspaceアカウントであれば、社内の重要データや業務上の文章を入力してもAIの学習に使われる心配が一切ありません。しかも、個人向け環境での最大の弱点だった「オプトアウトすると履歴が残らない」という制限もなく、会話履歴をサイドバーにしっかりと残して業務効率を維持したまま、データ学習をシャットアウトできるという理想的な環境が整っています。業務でGeminiを本格導入するなら、間違いなくWorkspace環境が一押しですね。
4-2. 個人で「学習オフ+履歴保存」を両立させるWorkspace単独契約の手法
ここで、個人事業主やフリーランス、あるいは情報感度の高い個人ユーザーの間で密かに実践されている、非常に賢い活用テクニック(裏技)をご紹介します。
「仕事のアイディア整理で過去のチャット履歴を残して作業効率を高めたい。でも自分のアイディアや入力データをAIに絶対学習されたくない…」というジレンマに悩んでいるなら、個人であっても独自ドメインを取得し、「Google Workspace」の最小プラン(Business Starterプラン:月額数百円〜1,000円程度)を1ユーザーのみで単独契約するという選択肢が存在します。
一見「Workspace=企業が契約するもの」と思われがちですが、実は個人であってもドメインさえあれば1アカウントから契約可能です。独自ドメインを使ってWorkspace環境を構築すれば、個人利用であっても法人向けの強力なプライバシー保護規定(DPA)がそのまま適用されます。その結果、個人向け無料アカウントでは不可能な「チャット履歴を快適に残しながら、AIモデルへのデータ提供を完全にゼロにする」という夢の両立が実現できるわけです。セキュリティと利便性の両方を妥協したくない方は、ぜひ検討してみる価値がありますよ。
なお、AIを活用した自律型のタスク処理や高度なエージェント構築に興味がある方は、当サイトの解説記事AIエージェントの作り方をGeminiで解説!API実装からGemsまで完全ガイドもあわせて参考にしてみてくださいね。
4-3. Google AI Studio無料版はオプトアウト不可!課金版やVertex AIへの移行手順
アプリ開発者やエンジニアがGeminiのAPIキーを発行してテスト開発を行う際によく利用される「Google AI Studio」。ここで非常に注意しなければならないのが、Google AI Studioの無料枠(Free Tier)にはオプトアウト用の設定スイッチが存在しないという点です。
Googleの規約上、高性能なAIモデルのAPIを無料で解放する見返りとして、送信されたプロンプトやレスポンスデータをGoogleがモデル改善や品質検証のために使用する権利が明記されています。つまり、無料版AI Studioを使っている限り、データを学習させない設定に切り替えることは構造上不可能なのです。
開発者が安全にデータを扱い、学習を回避するための2つのアプローチ
- 1. AI StudioでPay-as-you-go(従量課金)を有効化する: Google AI Studioのアカウントにクレジットカードなどの請求情報(Billing Account)を紐付けて有料従量課金枠へ切り替えます。課金を有効化した瞬間から、Googleのデータ学習ポリシーが適用対象外となり、送信データがモデルトレーニングに使われなくなります。
- 2. Vertex AI(Google Cloud)環境へ移行する: エンタープライズ開発の場合は、Google Cloudプラットフォーム上の「Vertex AI」に移行してGemini APIを呼び出します。Vertex AIであれば、Google Cloudの堅牢なセキュリティ境界(VPC-SCなど)の中でデータが隔離・保護されるため、最も高い安全性で本番システムを運用できます。
社内プロジェクトの開発や顧客向けアプリケーションの本番運用で無料版のAI Studioを利用するのは、重大なセキュリティコンプライアンス違反につながる恐れがあります。開発現場では、必ず従量課金設定を行うかVertex AIへの移行を徹底するようにしましょう。
5. オプトアウト設定が変更できない・エラーになる場合の原因と対処法
「アクティビティの設定を変更しようとして画面を開いたのに、ボタンを押しても反映されない…」「エラーメッセージが出て保存できない…」とお困りの方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、設定変更がうまくいかない場合に考えられる主な原因と、その具体的な対処法を分かりやすく整理しました。
トラブル発生時のチェックリストと解決策
① アクティビティの設定項目自体が表示されない・見つからない場合
→ 原因:ログインしているGoogleアカウントの切り替えが正しく行われていない可能性があります。
→ 対処法:ブラウザの右上にあるアイコンをクリックし、一度ログアウトしてから設定を変更したい対象のアカウントで確実にログインし直してみてください。
② トグルスイッチがグレーアウト(灰色)していて操作・クリックできない場合
→ 原因:学校や勤務先から支給されたGoogle Workspaceアカウントを利用している可能性があります。
→ 対処法:組織のアドミニストレーター(IT管理者)によって、セキュリティポリシー上アクティビティ制御の変更権限がロックされています。個人の判断で変更することはできないため、社内のIT管理部門や情シスへ問い合わせる必要があります。
③ 「エラーが発生しました」と表示されて設定が保存されない場合
→ 原因:ブラウザのキャッシュや古いCookieの干渉、またはスマホアプリのバージョンが古い可能性があります。
→ 対処法:ブラウザの閲覧履歴とキャッシュをクリアするか、シークレットモード(インコグニトモード)で再アクセスしてみてください。スマホアプリの場合は、App StoreやGoogle Playストアからアプリを最新バージョンに更新してから再度試してみましょう。
6. まとめ:自分に合った最適なGeminiのセキュリティ設定
Geminiのオプトアウト設定について、データが学習される基本的な仕組みから、デバイス別の具体的な手順、知っておくべきデメリットや利用形態ごとの違いまで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 個人向けの無料GeminiやGemini Advancedはデフォルトでデータ学習がオンになっているため、手動でアクティビティをオフにする(オプトアウト)必要がある
- 個人アカウントでオプトアウト設定を行うとAIの学習は止められるが、同時にチャット履歴も保存されなくなる点に注意が必要
- アクティビティをオフにしてもシステム安全上の理由から72時間はデータが一時保持されるため、誤送信した機密情報は「マイ アクティビティ」から手動削除する
- 企業向けのGoogle Workspaceや課金版API(Vertex AI / AI Studio有料枠)なら、過去ログを残しつつデフォルトでデータ学習を完全にシャットアウトできる
プライバシーと情報セキュリティを最優先して履歴なしの割り切り運用をするのか、Google Workspaceなどを導入して利便性と安全性をパーフェクトに両立させるのか、ご自身の利用環境や扱うデータの機密性に合わせて最適なセキュリティ設定を整えてみてくださいね。
