n8nとは?読み方・できること・料金・ZapierやDifyとの違い

n8nのできること・料金・始め方を紹介する記事のアイキャッチ

n8n(エヌエイトエヌ)は、メール・スプレッドシート・チャット・AIモデルなどのサービスをつなぎ、決まった作業を自動で動かすワークフロー自動化ツールです。ブラウザで使う「n8n Cloud」と、自分のサーバーで動かす「セルフホスト」の2つの使い方があります。

この記事では、n8nの読み方と仕組み、できることの具体例、CloudとセルフホストやZapier・Difyとの違い、始め方の流れ、使う前に知っておきたいライセンスの条件を、公式サイトとドキュメントをもとに説明します。料金と上限は2026年10月時点の表示です。

  • n8nの読み方と、ワークフロー・ノード・トリガーの仕組み
  • n8nでできること(入力→処理→出力の例)
  • n8n Cloudとセルフホストの違い、料金の概要
  • ZapierやDifyとの使い分け、始め方の流れ、使う前の注意点
目次

n8nとは?

n8nは、ドイツ・ベルリンのn8n GmbHが開発しているワークフロー自動化ツールです。公式ドキュメントでは、AIの機能と業務プロセスの自動化を組み合わせた、fair-codeライセンスのワークフロー自動化ツールと紹介されています。

「新しいメールが届いたら内容を要約して、スプレッドシートに1行追加する」のように、きっかけと処理の順番を画面上で箱と線でつないで組み立てます。プログラムを書かずに作れる処理が多い一方で、JavaScriptやPythonのコードを処理の途中に入れることもできます。

n8nの読み方は「エヌエイトエヌ」

n8nのGitHubのREADMEでは、n8nは「n-eight-n」と発音すると説明されています。カタカナで書くと「エヌエイトエヌ」です。

名前は「nodemation」を縮めたものです。READMEによると、画面上で「ノード」をつなぐ仕組みとNode.jsを使っていることから「node-」、自動化(automation)から「-mation」を取っています。

n8nの仕組み(ワークフロー・ノード・トリガー)

n8nを使うときによく出てくる言葉は、次の4つです。公式ドキュメントの用語集をもとに説明します。

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用語意味
ワークフロー自動化したい作業の全体。ノードをつないで作る
ノードワークフローを組み立てる部品。「Gmailでメールを取得する」「Slackに投稿する」など、1つの処理を受け持つ
トリガーワークフローを動かすきっかけになる特別なノード。決まった時刻、フォームの送信、メールの受信などがある
認証情報(Credentials)外部のサービスに接続するためのログイン情報やAPIキーを保存しておく機能

ワークフローが最初から最後まで1回動くことを「実行(execution)」と呼びます。n8n Cloudの料金は、この実行の回数で決まります。

n8nでできること

n8nには、Gmail、Googleスプレッドシート、Slack、Notion、WordPressなどのサービスに接続するノードと、OpenAIやAnthropicのAIモデルを使うノードが用意されています。専用のノードが無いサービスでも、APIが公開されていれば「HTTP Request」ノードで接続できます。

公式ドキュメントにあるノードを組み合わせた、ワークフローの構成例は次のとおりです。

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用途入力(トリガー)処理出力
毎朝の情報の記録決まった時刻(Schedule Trigger)外部のAPIから天気などのデータを取得し、読みやすい文章に整えるデータテーブルやスプレッドシートに1行追加
問い合わせの振り分け問い合わせフォームの送信(Form Trigger)AIで内容を「見積もり」「不具合」「その他」などに分類する(Text Classifier)分類ごとに決めたSlackのチャンネルへ通知
メールの要約Gmailでのメールの受信(Gmail Trigger)AIで本文を3行程度に要約する差出人・件名・要約をGoogleスプレッドシートに記録
新着記事の収集RSSフィードの更新(RSS Feed Trigger)タイトルとURLを取り出すNotionのデータベースに追加

1つ目の例は、公式ドキュメントの「最初のワークフローを作る」チュートリアルと同じ構成です。2〜4つ目は、公式ドキュメントに載っているノードを組み合わせた例で、使うにはGmailやSlackなど各サービスの認証情報の登録が必要です。

n8nのAIエージェント・MCPの機能

n8nでは、AIモデルに判断させながら処理を進める機能も使えます。主な機能は次のとおりです。このうちAI Agentノード、ツールを使う前の承認、MCPは、料金ページですべてのプランに含まれると案内されています(2026年10月時点)。

  • AI Agentノード:ワークフローにAIエージェントを組み込み、AIが状況に応じてツール(ほかのノード)を選んで使う
  • ツールを使う前の人による承認:AIエージェントが特定のツールを使う前に、人の承認を求めるように設定できる
  • MCPのクライアント・サーバー:MCP(AIのアプリと外部のツールやデータをつなぐ共通の規格)で、ほかのAIツールとn8nを接続できる
  • n8n Assistant(プレビュー版):作りたい内容をチャットで伝えると、ワークフローの作成・編集・テストを手伝う機能

n8n AssistantやAgents(n8nの中で作る自律的なアシスタント)は、2026年10月時点でプレビュー版として提供されています。

n8n Cloudとセルフホストの違い

n8nには、n8nが運営するサーバーで使う「n8n Cloud」と、自分で用意したサーバーやパソコンで動かす「セルフホスト」があります。公式ドキュメントの比較をもとにまとめると、次のとおりです。

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項目n8n Cloudセルフホスト
サーバーの用意不要(n8nが運営)自分で用意して管理する
インストール不要。ブラウザで使うDockerなどでのセットアップが必要
更新・保守n8nが行う自分で行う
必要な知識特に不要インストールと設定の知識が必要
データの保存場所EU(ドイツ・フランクフルト)のサーバー自分が動かすサーバー
費用有料プラン(14日間の無料トライアルあり)Community Editionは無料。サーバーの費用は自分で負担

サーバーの管理をしたくない場合や、まず試してみたい場合はn8n Cloudが候補です。Community Editionには実行回数の上限や料金が無いため、実行回数の多い自動化を動かしたい場合や、データを自分のサーバーに置きたい場合はセルフホストが候補になります。ただし、セルフホストではセキュリティの更新やバックアップも自分で行う必要があります。

n8nの料金(概要)

n8nの料金は、ユーザー数やワークフローの数ではなく、毎月のワークフローの実行回数で決まります。料金ページでは、すべてのプランでユーザー数・ワークフロー数が無制限で、すべての連携機能を使えると案内されています。料金はユーロ表示の税抜です。

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プラン使い方年払い(月あたり)月払い実行回数(月)
StarterCloud20ユーロ24ユーロ2,500回
ProCloud50ユーロ〜60ユーロ〜10,000回〜
Businessセルフホストのみ667ユーロ〜800ユーロ〜40,000回〜
EnterpriseCloud・セルフホスト個別見積もり個別見積もり個別に設定
Community Editionセルフホスト無料無料—

実行回数は、ワークフローが最初から最後まで1回動くと1回と数えます。途中の処理の数(ステップ数)や扱うデータの量は関係ありません。また、作成中に画面から手動でテスト実行した分は、回数に含まれません。料金や上限は変わることがあるため、申し込む前にn8nの料金ページで最新の内容を確認してください。

n8nとZapier・Difyの違い

n8nと比べられることが多いのが、自動化ツールのZapierと、AIアプリを作るDifyです。3つとも、画面上で処理をつないで作る点は似ていますが、主な用途と料金の数え方が違います。

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項目n8nZapierDify
主な用途サービス同士をつなぐ業務の自動化。AIの処理も組み込めるサービス同士をつなぐ業務の自動化チャットボットや資料に答えるAIアプリの作成・公開
料金の数え方ワークフローの実行回数(ステップ数は関係ない)タスク数(処理が1つ完了するごとに1タスク)Cloudはワークスペースごとの月額。AIモデルの利用はクレジットで数える
セルフホストできる(Community Editionは無料)料金ページはクラウドのプランのみできる(Communityは無料)
無料で使える範囲Cloudは14日間の無料トライアル月100タスクの無料プランCloudに無料のSandboxプラン

用途ごとの使い分けの目安は、次のとおりです。

  • n8nが向いている場面:処理の手順が多いワークフローを作りたい場合や、自分のサーバーで動かしたい場合。ステップ数が増えても実行回数は1回と数えるため、手順の多い自動化でも費用を見積もりやすくなります
  • Zapierが向いている場面:サーバーの管理をせずに、よく使うサービス同士を手早くつなぎたい場合。Zapierの料金ページでは、9,000以上のアプリと連携できると案内されています
  • Difyが向いている場面:社内資料をもとに答えるチャットボットなど、AIアプリそのものを作ってWebで公開したい場合

DifyのアプリはAPIで呼び出せるため、n8nの「HTTP Request」ノードからDifyのアプリを呼び出すように組み合わせることもできます。Difyについては「Difyとは?読み方・できること・料金・始め方」で紹介しています。

n8nの始め方

n8nを始める方法は、n8n Cloudの無料トライアルを使う方法と、セルフホストで自分の環境に入れる方法の2つです。

n8n Cloudの無料トライアルで始める

公式ドキュメントによると、n8n Cloudの無料トライアルでは、14日間Proプランの機能を試せます。料金ページでは、クレジットカードの登録は不要と案内されています。トライアルの主な条件は次のとおりです。

  • 実行回数は1,000回まで、同時に動かせる実行は5つまで
  • 1回の実行は180秒まで、チームで共有するプロジェクトは1つまで
  • トライアルの期間が終わると自動で終了し、料金はかからない

トライアルが終わると、n8n Cloudの環境は削除されます。公式ドキュメントでは、終了後90日間はワークフローをダウンロードできると案内されています。続けて使う場合は、トライアル中にStarterかProの有料プランへ切り替えます。

セルフホストで始める

セルフホストの場合、公式ドキュメントでは、インストールスクリプトを使う方法、Docker Composeを使う方法、クラウドサービスに置く方法が案内されています。インストールスクリプトを使う場合もDockerが必要です。インストール後は、ブラウザで http://localhost:5678 を開くとn8nの画面が表示されます。

最初のワークフローを作る流れ

公式ドキュメントのチュートリアルでは、毎朝8時に天気のデータを取得して、表に記録するワークフローを例に、次の流れで作ります。練習用のデータを使うため、ほかのサービスのアカウントやAPIキー、プログラミングの経験は不要とされています。

  1. 新しいワークフローを作り、名前を付ける
  2. 「Schedule Trigger」で毎朝8時に動くように設定する
  3. 「HTTP Request」ノードで天気のデータを取得する
  4. 「Edit Fields」ノードで、都市名・気温・天気から短い文章を作る
  5. データテーブルを作り、「Data table」ノードで文章を1行ずつ保存する
  6. テスト実行で行が追加されることを確認してから、ワークフローを公開する

ワークフローは公開(有効化)すると、トリガーの条件に合わせて自動で動きます。テスト実行の分は実行回数に含まれませんが、公開後に自動で動いた分は回数に含まれます。

n8nを使う前の注意点

n8nのライセンス(Sustainable Use License)の条件

セルフホストのn8nは、n8nが2022年に作った「Sustainable Use License」というライセンスで提供されています。公式ドキュメントでは「Community license」とも呼ばれています。ライセンスの条文の制限は、次の3つです。

  • ソフトウェアを使ったり改変したりできるのは、自社の社内業務の目的か、非商用・個人での利用に限られる
  • ソフトウェアをほかの人に配布・提供できるのは、非商用の目的で無料で行う場合に限られる
  • ソフトウェア内のライセンス・著作権などの表示を変更・削除してはいけない

公式ドキュメントのライセンスのFAQでは、判断の基準は「誰がワークフローを作ったり変更したりできるか」だと説明されています。FAQに挙げられている例は次のとおりです。

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FAQで認められている例FAQで認められていない例
自社の業務、個人のプロジェクト、学習・研究でn8nを動かす顧客がワークフローを作れるサービスとしてn8nを提供する
自社のn8nで顧客向けの自動化を作る(顧客がワークフローを作成・編集できない場合)自社の製品の画面やAPIを通して、外部の利用者にワークフローを作らせる
ワークフローの作成・設定・保守・研修・コンサルティングの料金を受け取るn8nのコードをもとに、自社の自動化製品として提供する
利用者に見えない裏側の処理として、自社の製品の中でn8nを使うn8nのブランド表示を外して、そのまま自社の製品として提供する

このライセンスはセルフホストのn8nに適用されるもので、n8n Cloudは有料サービスの利用規約が別にあります。ファイル名に「.ee.」が含まれる一部の機能は、別の「n8n Enterprise License」の対象で、使うには有料のライセンスキーが必要です。自分の使い方が条件に合うか分からない場合は、FAQに案内されているn8nのライセンスの問い合わせ先に確認します。

n8n Cloudは実行回数に上限がある

n8n CloudのStarterとProは、毎月の実行回数に上限があります。料金ページのFAQでは、5分ごとに動くワークフローは1か月で約8,600〜8,900回の実行になると説明されています。この場合、月2,500回のStarterでは足りません。数分おきに動かすワークフローを作る場合は、先に1か月の実行回数を計算しておきます。

n8nから外部のサービスやAIモデルに送るデータ

n8nで外部のサービスやAIモデルにつなぐと、ワークフローで扱うデータはそのサービスに送られます。たとえばメールの要約にOpenAIのモデルを使うと、メールの本文がOpenAIに送られます。顧客の情報などを扱う場合は、接続先のサービスの利用規約とデータの扱いを確認してから使います。n8n Cloudの場合、n8nのデータはEU(ドイツ・フランクフルト)のサーバーに保存されます。

n8nでAIを使うときは出力の確認が必要

AIによる分類や要約は、内容を誤ることがあります。メールの送信や記事の公開など、外部に出る操作の前には、人が内容を確認する手順を入れておくと安全です。AIエージェントを使う場合は、前に紹介した「ツールを使う前の人による承認」を設定すると、この確認の手順をワークフローに組み込めます。

n8nに関するよくある質問

n8nは無料で使えますか?

セルフホストのCommunity Editionは無料で使えます。ただし、n8nを動かすサーバーの費用や、有料のAIモデルを使う費用は自分で負担します。n8n Cloudは有料プランのみで、14日間の無料トライアルがあります。

n8nは商用利用できますか?

自社の業務を自動化する目的であれば、セルフホストのn8nを使えます。顧客のためにワークフローを作り、作成や保守の料金を受け取ることも、ライセンスのFAQで認められています。一方で、顧客がワークフローを作れるサービスとしてn8nを提供することは認められていません。n8n Cloudを契約して使う場合は、Cloudの利用規約に従います。

n8nを使うのにプログラミングの知識は必要ですか?

ノードをつなぐだけで作れるワークフローも多く、公式のチュートリアルもプログラミングの経験は不要とされています。ただし、セルフホストのインストールや設定にはサーバーの知識が必要です。また、APIで外部サービスにつなぐ場合や、コードのノードで細かい処理を書く場合は、APIやJavaScript・Pythonの知識があると作りやすくなります。

まとめ

n8n(エヌエイトエヌ)は、サービス同士やAIモデルをノードでつなぎ、決まった作業を自動で動かすワークフロー自動化ツールです。

  • トリガー(きっかけ)→処理→出力をノードでつなぎ、AIによる分類や要約も組み込める
  • n8n Cloudは年払いで月20ユーロのStarterから。料金は実行回数で決まり、ユーザー数は無制限(2026年10月時点、税抜)
  • セルフホストのCommunity Editionは無料。サーバーの費用と保守は自分で負担する
  • Zapierはタスク数、n8nは実行回数で料金を数える。AIアプリそのものを作るならDifyも候補
  • セルフホストは「自社の社内業務」などに使える。顧客がワークフローを作れるサービスとしての提供は認められていない

まずはn8n Cloudの14日間の無料トライアルで、公式のチュートリアルのワークフローを作ってみてください。続けて使う場合は、必要な実行回数とサーバーの管理の手間を比べて、Cloudの有料プランにするか、セルフホストにするかを選びます。

この記事を書いた人

AI-Riseの企画・編集を担当。日常業務のあらゆる場面でAIをフル活用。AIツールの活用や業務自動化をテーマに、使い方・選び方・利用時の注意点をわかりやすく紹介しています。公式情報と実際の活用経験をもとに、便利な点だけでなく、費用や手間、できることの範囲も整理。仕事や日々の作業に合うツール選びをお手伝いします。

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