AIを使った作業の自動化には、Webサービス同士をつなぐツールと、AIを組み込んだアプリを作るツールがあります。代表的なのが、Zapier(ザピアー)、n8n(エヌエイトエヌ)、Dify(ディフィ)の3つです。
この記事では、3つのツールが得意なこと、料金の数え方、無料で試せる範囲、自分のサーバーで動かせるかの違いを、各社の公式情報をもとに比べます。料金と上限は2026年10月時点の表示です。
- Zapier・n8n・Difyの違いを一覧で比べる
- 料金の数え方の違い(タスク・実行回数・クレジット)と、同じ処理での比べ方
- やりたいこと別の使い分けと、組み合わせる方法
- 各ツールの詳しい記事への案内
AI自動化ツールの2つのタイプ
3つのツールは、どれも画面上で処理の流れを組み立てられますが、得意なことが違います。

| タイプ | ツール | 入力の例 | 処理の例 | 出力の例 |
|---|---|---|---|---|
| サービス同士をつなぐ | Zapier、n8n | Gmailに添付ファイル付きのメールが届く | 添付ファイルをクラウドストレージに保存する | チャットにファイルの保存を知らせる |
| AIを組み込んだアプリを作る | Dify | 利用者の質問 | 登録したマニュアルから関係する部分を探し、AIが回答を作る | チャット画面での回答 |
3つともAIの機能がありますが、出発点が違います。Zapierとn8nは、サービス同士をつなぐ自動化の途中に、AIによる要約や分類を入れられます。n8nは、AIエージェントの処理も組み込めます。Difyは、チャットボットや資料に答えるアプリそのものを作り、公開できます。
Zapier・n8n・Difyの違い
| 項目 | Zapier | n8n | Dify |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | Webサービス同士をつなぎ、決まった作業を自動で実行する | 複数の手順を組み合わせたワークフローやAIエージェントで、サービス同士をつなぐ | チャットボットや資料に答えるAIアプリを作り、WebアプリやAPIとして公開する |
| 料金の数え方 | 成功したアクションの数(タスク) | ワークフローを1回動かすごとに1回(手順の数は関係ない) | ワークスペースごとの月額。AIモデルの呼び出しはクレジットで数える |
| 無料で使える範囲 | 無料プランは月100タスク。トリガー1つとアクション1つのZapまで | n8n Cloudは14日間の無料トライアル。セルフホストのCommunity Editionは無料 | 無料のSandboxプランは200クレジット(1回限り)。セルフホストのCommunityは無料 |
| 有料プランの料金例 | Professional:年払いで月19.99ドル(月750タスク) | Starter:年払いで月20ユーロ(月2,500回の実行) | Professional:月払い月59ドル(月5,000クレジット)。年払いは年590ドル |
| 自分のサーバーで動かす | 料金ページに、自分のサーバーで動かすプランは無い | できる(Docker・Docker Composeなど) | できる(Docker Compose) |
| 画面の日本語表示 | 英語のみ | 公式の日本語の画面は無い | ログイン画面は日本語で表示できる |
料金はZapierとDifyがドル表示、n8nがユーロ表示で、いずれも税抜です。年払いと月払いで金額が違い、タスクや実行回数を増やすと料金も上がります。申し込む前に、各社の料金ページで最新の内容を確認してください。
料金の数え方の違いと比べ方
3つのツールは、料金の上限を決める単位が違います。月額の安さだけでは比べられないため、同じ処理を1か月に何回動かすかで見積もります。
- Zapier(タスク):成功したアクション1回につき1タスクを使います。アクションが3つのZapを1回動かすと3タスクです。月750タスクのProfessionalなら、アクションが3つのZapは月250回で上限に達します
- n8n(実行回数):ワークフローを1回動かすと、中の手順がいくつあっても1回と数えます。アクションが3つでも5つでも、1回の実行は1回です
- Dify(クレジット):Dify Cloudに用意されたAIモデルを1回呼び出すたびに、モデルごとに決まった数のクレジットを消費します。自分のAPIキーを使うモデルは、クレジットではなく提供元の料金がかかります
ここでの計算は、各アクションが1タスクの通常のアプリ操作を対象にしています。Zapierの組み込みツールはタスクを消費せず、AIの手順やMCPは別の数え方です。たとえば、5つの通常のアプリ操作を順に行う自動化を月300回動かす場合、Zapierでは1,500タスク、n8nでは300回の実行として数えます。手順の多い自動化をたくさん動かすほど、数え方の違いが料金に表れます。一方で、Zapierは無料プランから始められ、n8n Cloudは無料トライアルのあと有料プランになる、という違いもあります。
やりたいこと別のAI自動化ツールの使い分け
| やりたいこと | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| よく使うWebサービス同士を、サーバーの管理なしで手早くつなぎたい | Zapier | 9,000以上のアプリとの連携が用意されていて、無料プランから試せる |
| 手順の多い自動化を、たくさんの回数動かしたい | n8n | 手順の数に関係なく、ワークフローの実行回数で数える |
| 自動化の仕組みを自分のサーバーで動かしたい | n8n、Dify | どちらも無料のセルフホスト版がある。サーバーの管理は自分で行う |
| マニュアルやFAQをもとに質問へ答えるチャットボットを作りたい | Dify | 資料の登録(ナレッジ)から検索、回答、Webアプリとしての公開までを1つの画面で作れる |
| 作ったAIアプリをほかのシステムから呼び出したい | Dify | 作ったアプリをAPIとして公開できる |
どのツールも、無料プランや無料トライアルで試せます。実際に動かしたい処理を1つ決めて、小さく作ってみると、操作のしやすさや料金の見積もりを比べやすくなります。
Zapierやn8nとDifyを組み合わせる
Difyで作ったアプリはAPIとして公開できるため、Zapierやn8nの自動化の途中からDifyのアプリを呼び出す、という組み合わせもできます。たとえば、問い合わせフォームに届いた文章をn8nで受け取り、Difyのアプリで分類と返信の下書きを作り、結果をチャットに送る、といった流れです。呼び出す側の設定やAPIキーの管理は、それぞれのツールで行います。
AI自動化ツールを使う前に確認すること
- 外部へ送られるデータ:AIモデルや連携先のサービスを使うと、入力した文章や取り出した資料の内容がその提供元へ送られます。自分のサーバーで動かしていても、外部のAIモデルを使えば通信は発生します
- テストでも実際に操作される:Zapierでは、アクションのテストで連携先のアプリに実際の操作が行われます。メールの送信やメッセージの投稿は、自分宛てなどで確認します
- AIの出力は確認してから使う:要約や回答に、元の資料に無い内容が入ることがあります。日付・金額などは元の情報と照らし合わせます
- セルフホストのライセンス:n8nのSustainable Use LicenseとDifyのライセンスには、それぞれ商用での使い方に条件があります。自分のサーバーで動かして他社向けのサービスにする場合は、各ライセンスの条件を確認します
各ツールの詳しい解説
| ツール | 記事 |
|---|---|
| Dify | Difyとは?/Difyの料金プラン/Difyのログイン方法/Difyの使い方/Difyのセルフホスト |
| n8n | n8nとは?/n8nの料金プラン/n8nの使い方/n8nのセルフホスト |
| Zapier | Zapierとは?/Zapierの料金プラン |
ノーコードで作れるほかのAIツールとして、Googleの「Google Opal」も紹介しています。
AI自動化ツールに関するよくある質問
無料で使えるAI自動化ツールはどれですか?
Zapierは月100タスクまでの無料プラン、Difyは200クレジット(1回限り)の無料プランがあります。n8nとDifyは、自分のサーバーで動かすセルフホスト版が無料です。n8n Cloudには無料プランは無く、14日間の無料トライアルがあります。セルフホストでは、サーバーやAIモデルの費用は自分で負担します。
Difyとn8nはどちらを選べばよいですか?
資料に答えるチャットボットなど、AIのアプリそのものを作って公開したい場合はDify、複数のサービスをつなぐ自動化の流れを作りたい場合はn8nが候補です。両方を組み合わせて、n8nの自動化の途中からDifyのアプリをAPIで呼び出すこともできます。
プログラミングができなくても使えますか?
3つとも、画面上で部品をつないで処理を組み立てられるため、簡単な自動化はコードを書かずに作れます。APIで独自のサービスとつなぐ場合や、自分のサーバーで動かす場合は、APIやサーバーの知識が必要になります。
まとめ
- Webサービス同士をつなぐならZapierかn8n、AIを組み込んだアプリを作るならDify
- 料金の単位は、Zapierがタスク(アクションの数)、n8nがワークフローの実行回数、Difyがワークスペースごとの月額とAIモデルのクレジット
- 手順の多い自動化をたくさん動かす場合は、数え方の違いが料金に表れる
- n8nとDifyは無料のセルフホスト版があり、Zapierは無料プランから試せる(2026年10月時点)
まずは自動化したい作業を1つ決め、無料プランや無料トライアルで小さく作ってみてください。動かす回数と手順の数が分かると、どのツールのどのプランが合うかを見積もりやすくなります。

